歯ぎしり・食いしばり

原因

ストレス

精神的な緊張や不安は、無意識のうちに体へ表れることがあります。とくに寝ている間、心の中で処理しきれなかったストレスを解消するかのように、歯ぎしりや食いしばりが現れることがあります。ストレスが一時的なものであれば自然と改善されることもありますが、慢性的になると歯や顎へのダメージが蓄積され、放置すれば深刻なトラブルを招く可能性があります。

歯並び

歯が不揃いだったり、詰め物・被せ物の高さが適切でない場合、かみ合わせが不安定になり、噛んだときに特定の歯だけに圧力がかかってしまいます。無意識のうちにその違和感を調整しようとする力が働き、それが歯ぎしりを引き起こす一因となることがあります。

枕が合わない

枕の高さが合っていないと、就寝中の首の角度に影響し、顎に不自然な圧力がかかりやすくなります。特に高すぎる枕を使っていると、顎が押し上げられた状態が続き、奥歯を噛みしめる姿勢になりがちです。また、質の悪い睡眠は歯ぎしりを悪化させることがあるため、安定した寝姿勢と深い睡眠を意識することが重要です。

集中している時間が長い

仕事や勉強に集中しているとき、人は無意識に歯を強く噛みしめていることがあります。これは集中力を高めようとする自然な反応とされていますが、長時間に及ぶと顎関節や歯に過剰な負担を与える原因となり、慢性的な食いしばりを招くことがあります。

グラインディング（歯ぎしり）

上下の歯を左右にギリギリと強く擦り合わせる動作で、「歯ぎしり」として最も一般的なタイプです。歯が擦れる音が発生するため、周囲の人に気づかれることが多く、睡眠中に行っている方が大半です。強い摩擦によって歯の表面がすり減り、エナメル質の下にある象牙質が露出することもあります。これが進行すると、知覚過敏や詰め物の脱落、歯の破折などさまざまな問題が起きる可能性があります。

クレンチング（かみしめ）

クレンチングは、音を立てることなく上下の歯を強く噛みしめる動作で、日中にも無意識に起こることがあります。歯と歯をこすり合わせないため、気づきにくいのが特徴です。長時間の噛みしめにより、顎周辺の筋肉に過度な負担がかかり、筋肉痛や骨の隆起（骨がこぶのように盛り上がる症状）が現れることもあります。

タッピング（歯をカチカチする）

上下の歯を軽くぶつけるようにカチカチと鳴らす癖です。他の2つに比べて力がそれほど強くないため、歯や顎へのダメージは比較的少なめです。しかし、繰り返すうちに無意識の癖として定着することもあるため、注意が必要です。音が出るため、自覚しやすいのがこのタイプの特徴です。